格ツク最強理論


「オールスターは永遠の輝き」
紹介ゲーム:あさソンオールスターズ〜宇宙一決定戦〜
 「オールスター」という響きは自分にとって特別なものがあるように感じます。テレビ番組でも「オールスター感謝祭(TBS系)」などをはじめとした「人気番組の出演者が集まってのオールスター番組」があり、プロ野球でもJリーグでも年に一度、各チームの人気選手を集めた夢の「オールスターゲーム」があります。冬に行われる野球の「マスターズリーグ」も引退選手ではありますが事実上のオールスターと言えますし、いろいろな面において「オールスター」というのは魅力的なものであると考えます。そしてそれは格闘ゲームについても当てはまるのではないでしょうか。

格闘ゲームでのオールスターの草分け的存在といえば「ザ・キングオブファイターズ」シリーズがあまりにも有名です(「世界中の有名どころを集めた」という点では「ワールドヒーローズ」の方が先だという考え方も出来ますが)。当時の自分は参加タイトルのうち「怒」は名前を知っている程度でしたし、「サイコソルジャー」に至っては元ネタが何なのか全くわからないという有様でした。にもかかわらず「餓狼伝説」と「龍虎の拳」この2タイトルのキャラがぶつかり合うというだけでも衝撃的でしたし、何よりやはり「歴代オールスター」という響きに並々ならぬ魅力というのを感じた、というのが本音です。またこのオールスター作品が「怒」など昔のゲームのキャラクターを知るきっかけを作ってくれたとも言えます。時は流れ「マーブルvsCAPCOM」(通称:VSシリーズ)を筆頭に、「CAPCOMvsSNKシリーズ」、「SVCカオス」、「カプコンファイティングジャム」、「ネオジオバトルコロシアム」といったオールスター格闘ゲームが多く出てくるようになりました。ゲーム性やバランスなどにいろいろ賛否両論があるようなのですが、こういったオールスターものには特別な魅力を感じるという 自分の考えは今も変わりません。格ツク作品においては自分自身も「2D格闘ツクラーズゴールドメンバー」に参加させていただき、オールスターの魅力を制作者サイドからも感じることが出来ました。そして2006年、また一つのオールスター格闘ゲームが生まれました。それがこの「あさソンオールスターズ〜宇宙一決定戦」でした。

格闘ツクールをメインとする自分にとって、あさソンさんといえば「剣舞〜極める〜」というイメージでしたので、そこから参加した3キャラ以外は名前は知っていてもそれほど詳しくは知らない状態だったのですが、主人公(?)の公事方御定書を中心とした超個性的&魅力的なキャラクターに引き込まれるのに長い時間はかかりませんでした。前述の「ザ・キングオブファイターズ」の例とも重なりますが、「よく知っているキャラの中に知らないキャラがいて、オールスター作品をプレイすることでそのキャラを知るきっかけができる」というのは、本作にも当てはまると思います。

本作はオールスターという魅力に加えて、ゲーム性の高さにも驚かされます。まずは操作が簡単で、単純にいろいろ動かしているだけで楽しめるということ。ただ楽しいというだけでなく、実戦的なコンボや強力な超技も簡単なコマンドで出すことが出来るので初心者にとっても間口が広いと感じます。つぎに勝負に色を添えるアイテムの存在。体力・スペシャルストックの回復アイテムや、ランダムで援護キャラが出てくる魔物箱など、これらを活かした戦いをすることで、さらに遊び・戦略の幅が広がります。わざと回復アイテムを自分の手前に残し、取りに来た相手を迎撃するとか、画面端に張り付いて魔物箱を取るのを阻止させる(魔物箱は画面中央に出現する性質があり、どちらかが画面端にいるとスクロールの関係上取ることが出来ません)とか、新戦法もまだまだ生まれそうです。そして一人でも飽きさせないボーナスステージ・特殊ステージの存在。「このキャラではどうやってクリアするんだろう」というクリア戦術を考える楽しみができ、1対1とはまた違った緊張感が楽しめます。一人プレイには各キャラにストーリー・エンディングも付いていてこれもまた一見の価値があるものばかり 。各キャラクターの個性が存分に発揮されています。

最後にオールスターの話に戻りますが、ゲームを面白くする要素というのは、「ゲームバランスが取れている」「システムが秀逸」「グラフィックがきれい」「コンボが繋がる」「読み合いができる」など様々なものがあると思います。その要素の一つとして「オールスターであること」があってもいいのではないかな、オールスターという響きはプレイヤーを引き付けるものとして十分に足りる要素ではないかな、と思うのです。本作をプレイしてみてぜひ「オールスターものが放つ輝き」を体験してみてはいかがでしょうか。
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