格ツク最強理論


「2つの快感、重なるとき」
紹介ゲーム:剣舞〜極める〜
 格闘ゲームにおける要素のひとつに「2つの快感」があると考えています。一つは大技を相手に当てたときに感じる「技が決まる快感」。超必殺技などが決まったときは本当に爽快です。もうひとつは「自分の力でつなぐ快感」。キャラクターにまかせきりにせず、自分の力でコンボをつなぎ、それが成功したときに感じる快感です。

皆さんは「目押しコンボ」というのをご存知でしょうか。簡単に言うと、タイミングよくボタンを押すことにより連続技になる技のことです。連打ではつながりにくく、画面のキャラの動きをよく目で見てタイミングを合わせるところから「目押し」と呼ばれるようになったのだと思います。市販ゲームでは「月華の剣士・第2幕」の乱舞奥義や「飢狼伝説シリーズ」のギースが持つデッドリーレイブなどがこれに当たります。成功したときの爽快感はかなりのものです。
しかしながらこの目押しコンボにはなかなか厄介な問題がひとつ。それは「入力タイミングがシビアなものが多い」ということです。慣れてしまえばそんなことは無いという人もいるのでしょうが、少なくとも私にはそう感じました。これでは当然「技が決まる快感」が味わえず、苦し紛れに「これだったら最初の一撃が当たったときに全部出てくれればいいのに…」と思ったこともありました。

ところが、いざ実際に「目押しコンボだった技がそうでなくなった」時、どことなく寂しさを感じたのです。それはKOFシリーズ・麻宮アテナの「サイキック9」と「サイキック10」という技です。「サイキック9」はKOF2001で登場した技で目押しコンボに該当しました。…で、私はこの技を2回に1回しか成功させることが出来ません。しかも失敗すると多大なスキを残してしまうため、対戦では怖くて使えず、結果として「技が決まる快感」が味わえないまま、「使わない技」となってしまいました。
一方でその後に登場した「サイキック10」という技は最初の一撃を相手に当てれば、あとはフィニッシュのコマンドを入力するだけで勝手にコンボをしてくれる技になりました。これにより非常に使える技となり、めでたしめでたし…と思っていたのですが、これを使い込んでいくうちにどこか寂しさを感じてしまいました。目押しコンボにあった「自分の力でつなぐ快感」が薄くなってしまったからです。

「技が決まる快感」と「自分でつなぐ快感」どちらもほしい、つまり「自分の力でつなげるんだけど、失敗しない技がほしい」という大変ぜいたくなことを考えていたわけです。でもこれは他のプレイヤーの方も感じたことがあるのではないでしょうか。…そんなときに格ツク作品「剣舞〜極める〜」と出会いました。
本作では「連斬」というシステムがあります。これはある攻撃をヒットさせた後、目押しで連続斬りを仕掛けていくというものです。前述までの目押しコンボに該当するのですが、この連斬の大きな特徴は「つなぐのが非常に簡単」ということです。ちょっと練習すればほぼ確実に出せるようになるため「自分でつなぐ快感」「技が決まる快感」どちらも味わえるというわけです。しかもこの連斬「連続斬りのスピードが速く、見た目がかなりかっこいい」というのも大きな特徴で、すごく簡単なタイミングのはずなのに、まるですごく難しいコンボを決めているかのような気分を感じ、自分がものすごくうまくなったような感覚になります。さらに条件なしで発動でき、スキもそれほど大きくないため「対戦でリスクが怖くて使えない」ということも無いです。この「リスクが少なく、簡単につなげて、しかもかっこいい目押しコンボ」、意外にありそうでなかったかな〜と思います。
こうして書いていると連斬が万能かと思われがちですが、本作では他の技のダメージバランスも本当に良く考えられているので、連斬だけのゲームになっていないのも好感が持てます。勝ちにこだわるなら連斬以外の選択肢、たとえば単発の強斬りなどを選ぶ状況も多々あります。つまり「連斬一択」ではなく、連斬をひとつの戦術として組み込めるわけです。

「剣舞〜極める〜」容量も他の格ツク作品と比べるととても軽いので、ぜひ一度プレイして「2つの快感」を味わってみてはどうでしょうか。
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