格ツク最強理論


「大人も子どもも、サラリーマンも」
紹介ゲーム:レトロファイターズ
 ファミコンが発売された時期に小〜中学生だった人たちにとっては、ファミコンゲームのタイトルを挙げると「ああ、あのゲームね」とうなずけるタイトルがかなり多いように感じます。もちろん全タイトルではありませんが。中に登場するキャラクターまで詳しく知っているもの、自分では持っていなくても友だちから借りてプレイした事はあるもの、プレイした事は無いけれど見せてもらった事はあるもの、自分の目で見た事は無いけれど雑誌などで取り上げられて名前は知っているものなど、知っている度合いに違いはあれど、昔は今より1本のゲームの知名度・注目度・やり込み度・思い入れ度は高かったように感じます。

ただ「最近のゲームは面白くなくなった」というわけでは決してなく、面白さでは昔のゲームと同等かそれ以上のゲームも数多く出てきているのは事実です。ではなぜファミコン時代ほど思い入れするタイトルが少ないように感じるのか。原因についてはいくつか考えられますが自分としては「タイトル数の数」と「楽しみ方の質の違い」があると思います。ファミコンの総タイトル数とPS1の(現時点での)総タイトル数は約3倍強の差があります。もちろんPS1の方が多く、PS2については数えておりませんが同様の傾向があると推測できます。そうなると一つのゲームを遊びこまないうちに次のビッグタイトルが出てきてしまう事も珍しくなく、その結果1つのタイトルを長く遊ぶことが難しくなってしまったとも言えます。そして楽しみ方の質も変わってきています。全部のタイトルに共通しているとは言えませんが、昔のゲームはアクションにしろ謎解きにしろ難易度の高めのゲームが多く、「どこまで行った?」とみんなで競ってその高いハードルを越える楽しさがあったように感じます。一方で今のゲームにはプレイヤー独自の考えをゲームに活かせることが増え「どうやってやった?」とみんなで 展開・戦略の違いを楽しむ要素があるように感じます。加えて今のゲームはグラフィックや演出が強化され見ているだけでも楽しさがあります。ゲームの面白さの根本は今も昔も変わらないと思っていましたが、今のゲームには今のゲームの、昔のゲームには昔のゲームなりの面白さがあり、その質は少し様変わりしてきているようです。

今回紹介する「レトロファイターズ」は今のゲームの良さと、昔のゲームの良さ、その両方を持ち合わせているゲームだと考えています。「レトロファイターズ」という名前ながらグラフィックに関しては今現在の市販ゲームにもひけを取らない綺麗さで、今のゲームの良さを十分に持ち合わせています。そして登場するキャラクターはファミコン時代にかつてその名を轟かせたであろう名(迷?)キャラクター達。メインキャラだけでなく敵キャラに関しても、出てくるたびに「これ○○○○に出てきていた××だ〜!」と元ネタを知っている人なら感動または爆笑もののメンバーが脇を固めています。昔のゲームの知名度の高さが十二分に活きた形になっています。前回の話とも重なりますが「ファミコン時代のオールスター」と言っても過言ではなさそうです。

本作はレトロゲームキャラが大集合するというだけのキャラクターゲームではありません。1対1での楽しさもさることながら、格闘ツクール作品としては異色とも言える「道中モード」も搭載されています。難易度もなかなか高く、難易度の点でもどことなく昔のゲームを思い出させます。知り合いと「何面まで行けた?」などと昔ながらの情報交換を楽しむ事も出来るでしょう。それに加えてシステムのほうもかなり凝っていて、さばきやレトロエアバースト、自由度の比較的高めなコンボなど実に多彩です。各キャラごとの個性も発揮されており、プレイヤーの個性が出せるという今のゲームっぽさも持っています。「自分はこのキャラでクリアした」とか「自分はこうやって勝ち抜いた」などといった戦術の情報交換も面白いでしょう。

「今時のゲームなんて…」と敬遠しがちな大人の方も、「昔のゲームのキャラってどんなだったんだろう?」と疑問に思うお子様も、「昔のゲームは良かったなあ」と懐かしむ今はサラリーマンの方々も、ぜひプレイしてみてはいかがでしょうか。「過去と今の良さの融合」がそこにあるのではないかと思うのです。
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